はじめに:夏の水やりは「蒸れ」より「乾き」が問題だった
エケベリアの実生苗たちが過ごす過酷な夏。
水をあげても、あっという間に乾いてしまう。夜にシャワーで水やりしても、翌朝にはもうカラカラ。
それでいて枯れた苗を見てみると、蒸れて溶けたというよりも 水切れで外葉から枯れている ものの方が圧倒的に多いのです。

過去の試行錯誤:なんとか水を長く保ちたい
むらさき園では、保水の工夫を色々と重ねてきました。
- 育苗トレーの下に育苗箱用シートを敷く
- 日が陰り始める夕方17時ごろに水やり
- 水やりの回数を増やす
それでも、翌朝には乾いてしまうトレーが大半で、水が苗の根に届いている時間が短いと感じていました。

底面給水シートは高価すぎる…!
業務用の底面給水シートを調べてみたところ、
なんと20mで約5万円もするではありませんか…。

今年の衝撃!救世主は“百均のフェルト”だった!?
あるお客様から教えていただいたのは、
「百均のフェルトを育苗シートの下に敷くと保水性が上がるよ」

さっそく導入!ニードルフェルト10mm厚を使用
今回は10mm厚・20m巻のニードルフェルトを導入。
スタッフとの共同作業で、トレーの下に敷いていきます。

まずは小さめのトレーで実験スタート!
まずは小さな苗のトレーにフェルトを敷いて試験的に実施。

水やりは真夏の昼12時に!気温40度対策も意識
真昼の水やりでも、75%の白の遮光と風通しの良いハウスであれば、土が極端に熱くなることはないと判断。

ポットサイズと保水のバランスも考える
仮に保水性の良い土を使い、遮光が甘く、風も少ない環境だとぬるま湯の中に根が何日も浸かるような状態に。

運命の夕方…フェルト効果が明らかに!
夕方、フェルトありのトレーだけがまだ湿っていたという衝撃。

翌朝の感動:ぷっくり苗と理想の湿り具合
翌朝、ぷっくりと膨らんだ苗の姿に感動。
夜の間にしっかり水を吸った様子がわかります。

結論:フェルト1枚で苗育成が変わるかもしれない
フェルトを敷くだけで、吸水時間を確保し、夜間に苗を太らせる時間が生まれる。
驚くべき効果を感じました。
むらさき園の今後:効率化とベスト環境づくりへ
全体導入には時間と費用がかかりますが、
少しずつでも「人の手が減る仕組み」と「苗が育つ環境」を両立したい。

おわりに:フェルト、恐るべし!
フェルト1枚でここまで変わるとは…。
知恵と工夫で夏を乗り越える。その力を、多肉植物と共に。
むらさき園では日照時間が長いのであえて10mm厚のフェルトにしましたが、ご家庭では百均の薄いフェルトの方が使いやすい気がしますね
