



- 真上
- 横
- 花芽
- 花芽 (アップ)
Echeveria ‘Santa Barbara’(エケベリア・サンタバーバラ)
① 概要
「Santa Barbara」という名前は、エケベリアの世界でいくつかの異なる背景をもって使われています。海外の園芸文献では、正式な園芸品種としての記録と、自生地名に由来する呼び名の二つが確認されています。しかし実際の流通では、それ以外の系統にもこの名前があてられていることがあり、少し複雑な存在となっています。
② 名前の由来と背景
1. 園芸品種としての ‘Santa Barbara’
海外の園芸品種リストには、C.H. Uhl による交配(E. ‘Metallica’ × E. carnicolor)として記録されています。命名は David Cumming によるもので、正式な園芸品種として扱われています。
ただし、別の品種 Echeveria ‘Dr Uhl’ が “Santa Barbara” と誤って呼ばれる例もあり、名前の混乱が生じやすい品種です。
2. 産地系統としての Santa Barbara
Echeveria agavoides の中で、メキシコ・グアナファト州 Santa Bárbara 地域に由来する母集団が「Santa Barbara」と呼ばれています。
海外の種子商やナーセリーが「E. agavoides Santa Barbara」として取り扱い、流通しています。こちらは品種名ではなく、自生地を示す呼称です。
③ むらさき園の見解
今回の写真の「サンタバーバラ」は、上記のいずれとも少し異なる姿を見せていると感じられます。葉のまとまり方や粉の雰囲気などが、既知の園芸品種や産地系統の説明とは一致しない部分があるためです。
そのため、流通の過程で別の系統に「サンタバーバラ」という名前が付けられた可能性や、園芸的に派生した個体群が同名で扱われている可能性も考えられます。
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まとめ
「Santa Barbara」という名前は、文献上は園芸品種と産地系統の二つが確認されていますが、実際の流通ではさらに別の株にも使われているようです。むらさき園としては、今回の株はそのどちらとも異なる印象を受けており、「名前と実際の植物が必ずしも一致していない例」として注意深く扱っていきたいと思っています。