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Echeveria ‘Hanazukiyo’(花月夜)
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① 原種概要
Echeveria ‘Hanazukiyo’(花月夜)は、**日本の横森氏(Yokomori)によって作出された交配種(cultivar)**です。海外文献では Echeveria pulidonis × Echeveria elegans の組み合わせで記録されています【crassulaceae.ch】。ロゼットは中型で整い、pulidonis の赤縁と elegans の透明感を併せ持つ美しい姿が特徴です。
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② 名前の由来と読み方
栽培名(cultivar name)として「Hanazukiyo(花月夜)」と命名されています。日本語の柔らかい響きがそのまま海外でも用いられており、英字では Echeveria ‘Hanazukiyo’ と表記されます。
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③ 葉姿・色彩の特徴
ロゼット径は小〜中型(およそ 7–12cm)。
葉はやや匙状で肉厚、葉先は丸みを帯びつつ尖点を持ちます。
光条件によって葉縁に赤色がのりやすく、中心部は淡緑〜青緑色。
elegans 由来の柔らかい粉感と pulidonis 由来の縁取りの赤が調和しています。
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④ 原産地と自生環境
本品種は人工交配種のため自生地は存在しません。親株の E. pulidonis はメキシコ・プエブラ州の岩場に、E. elegans は同じくメキシコ・イダルゴ州などの乾燥地に分布する原種です。それぞれの特性を受け継いでいると考えられます。
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⑤ 季節による色の変化
春~初夏:青緑の葉に赤い縁取りがはっきり現れる。
夏:強光下ではやや退色し、葉が引き締まる。
秋~冬:気温低下で紅が強まり、粉感と相まって透明感ある彩りを見せます。
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⑥ 花の特徴
交配種のため文献上で詳細な花の描写は少ないものの、親株に準じた黄色系の鐘形花を咲かせるとされます。花序はやや下垂し、pulidonis に近い姿を想起させます。
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⑦ 栽培の魅力
pulidonis の赤縁と elegans の粉をまとった青緑色が混ざり合う、非常に観賞価値の高い cultivar。
海外文献や写真記録でも「透明感のある葉色と赤縁が魅力」とされ、コレクション価値が高い交配種です【flickr】。
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⑧ 繁殖の課題と方法
葉挿し・株分けでの増殖が可能ですが、形質の再現性にはバラつきが生じる可能性があります。
種子繁殖では親株の形質が崩れるため、主にクローン維持(挿し芽・株分け)が推奨されます。
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⑨ むらさき園からの栽培メモ
花月夜は pulidonis の「赤い縁取り」と elegans の「透明感ある粉葉」を引き継いだ交配種で、光の条件によって大きく表情を変えます。秋冬にかけて葉縁が赤く染まり、粉をまとった柔らかなグラデーションは特に美しいです。海外でも「Hanazukiyo」の名前でそのまま紹介されており、日本発の cultivar が国際的に認知されていることは、多肉植物文化においても誇らしい点だと思います。
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参考(海外文献)
International Crassulaceae Network — Echeveria ‘Hanazukiyo’(交配式 pulidonis × elegans、作出 Yokomori 氏)【crassulaceae.ch】
Flickr 写真記録(2004 撮影、2015 投稿、交配式明記)【flickr.com】