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エケベリア「オリオン(Echeveria ‘Orion’)」詳細解説
① 作出者と命名の由来
「オリオン」は、韓国の育種家 パク氏(Park) によって命名・作出された交配品種です。
韓国ブリーダーによる園芸エケベリアは数多くありますが、オリオンはその中でもとりわけ ロングセラーとして知られ、世界的に広く流通しています。
名前の由来は、夜空に輝く星座「オリオン座」。
青白い葉と、冬に際立つ赤い縁取りがまるで夜空に浮かぶ星のように映えることから、この名が付けられたと伝えられています。
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② 推定される交配親
公式な記録は残っていませんが、形質から考えられる親は以下の通りです:
Echeveria pulidonis(プリドニス)
Echeveria lilacina(リラシナ)
Pulidonis の縁取りの赤さ、Lilacina の整ったロゼットと粉をまとった青白い葉色が、オリオンの特徴に反映されていると考えられます。
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③ 特徴と美しさ
葉姿:肉厚で幅広の葉を放射状に展開し、整ったロゼットを形成。
葉色:基本はブルーグリーン〜シルバーグリーン。
紅葉:低温期や水を切った管理で葉縁が赤く染まり、青×赤のコントラストが美しく出る。
サイズ:直径12〜15cmほど。
紅葉した姿は「オリオン座の赤い星ベテルギウス」を思わせる色合いともいわれています。
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④ 栽培のポイント
生育期:春・秋に活発に成長。
夏:蒸れに注意。遮光と風通しを確保する。
冬:耐寒性は比較的強いが、霜は避ける。
水やり:控えめにすると縁の赤みが強調される。
特に「根詰まり+水切れ」状態を意識的に作ることで、紅葉の発色が際立ちます。
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⑤ 花の特徴
春〜初夏に花茎を伸ばし、オレンジ色の釣鐘型の花を咲かせます。
花はやや小ぶりですが、整ったロゼットとのバランスで観賞価値があります。
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⑥ むらさき園からの栽培メモ
むらさき園でも安定して栽培している品種で、紅葉期の発色は特に映えるため、お客様に見せる展示株としても人気があります。
夏は水を控えすぎると消耗しやすいですが、秋の涼しさが戻ってくると一気に色が上がり、オリオンらしさを見せてくれます。
葉挿しもある程度成功しますが、株分けや胴切りの方が安定して増やせます。
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⑦ まとめ
エケベリア「オリオン」は、韓国ブリーダー・パク氏によって命名された代表的な園芸交配種です。
整ったロゼット、美しい紅葉、そして育てやすさを兼ね備えており、今なお世界中の多肉ファンに愛され続けています。
夜空に輝く星の名を冠したその姿は、まさに 「王道の美しさを持つエケベリア」 といえるでしょう。