シムランス ラグナサンチェス「原種」E.simuians Laguna Sanchez

シムランスラグナサンチェス
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エケベリア・シムランス Laguna Sánchez

① 原種概要

Echeveria simulans は1905年に Joseph Nelson Rose によって記載されたエケベリアの原種です(Rose, North American Flora 22:22, 1905)。ロゼットは青緑色でやや平たく広がり、葉先に向かって薄くなるのが特徴とされています。分布はメキシコ北東部から中部にかけて広く、標高の高い岩場や乾いた斜面に自生します【ICN (International Crassulaceae Network)】。

② “Laguna Sánchez” の意味

“Laguna Sánchez” は、ヌエボレオン州サンティアゴの山間にある湖の名前です。園芸で「E. simulans ‘Laguna Sánchez’」と呼ばれる株は、**この地で採集されたシムランスの地域個体群(フォーム)**を示すもので、登録品種ではありません【ICN, field photos】。

③ 形態的特徴

ラグナ・サンチェス由来の株は、比較的扁平なロゼットを形成し、葉は広がり気味で上半分が薄い印象があります。葉縁が軽く波打つ個体もあり、同一産地内でも変化が見られることが報告されています(Moran, field notes in Nuevo León)。

④ 分類学的位置づけ

かつては Echeveria hyalina と呼ばれることもありましたが、現在では多くの研究者がシムランスのシノニムとして扱っています【ICN】。ただしデータベースによっては独立種扱いのものもあり、完全には統一されていません。

⑤ むらさき園メモ

ラグナ・サンチェス産のシムランスは、エレガンスに比べると少し落ち着いた雰囲気があります。冬の寒さで葉が淡く透けるような透明感のある青緑になるのが美しく、同じシムランスでも「産地違い」を見比べる楽しみがあります。

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出典

Rose, J.N. (1905). Echeveria simulans. North American Flora 22:22.

International Crassulaceae Network (ICN). Echeveria simulans entry, with locality photos.

Moran, R. (field notes on Echeveria in Nuevo León).