ザラゴーサspノバsp.nov Zaragoza

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ザラゴーサspノバについて

1. 概要

「ザラゴーサspノバ(sp. nova Zaragoza)」は、学術的な文献には記録が見つからない名前です。
“sp. nova”とはラテン語で「新しい種(species nova)」を意味し、正式な学名ではなく、園芸流通の中で「新しいタイプ」「未記載種」として便宜的に用いられることが多い表記です。

そのため、「ザラゴーサspノバ」という名称も学名としては認められていません。実際には cuspidata var. zaragozae とは異なる特徴を持ち、独自性を感じさせる存在です。

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2. 特徴

葉の形状
爪が鋭く、白粉をまとった葉は細長く伸びます。

葉色の美しさ
淡いブルー〜グリーンを地色に、縁にピンクやレッドの差し色が出やすいタイプです。特に冬場の紅葉期には、赤縁が際立ちコントラストが美しくなります。

成長の緩やかさ
ゆっくりと育ち、群生してもロゼットが乱れにくく、整った姿を長く楽しめます。

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3. 栽培のポイント

日光
強光を好む反面、真夏の直射光では葉焼けを起こしやすいため、遮光や風通しの工夫が必要です。夏場はやや半日陰の方が管理しやすい傾向があります。

水やり
基本は乾燥気味に。秋冬はしっかり日に当てて紅葉を楽しむのがおすすめです。

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4. 鑑賞価値

「spノバ」は希少性が高く、コレクターに好まれています。
コンパクトなロゼットと、紅葉時に縁が赤く染まる姿はとても美しく、群生させても一株でも映える存在です。

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5. むらさき園からの栽培メモ

私自身、Echeveria turgida を実生していると、この「spノバ」によく似た個体が生まれることがあります。turgida も個体差が大きく、そのバリエーションのひとつではないかと考えさせられることもあります。

栽培していると非常に面白い品種で、夏に蒸れさえ防げば丈夫に育ちます。葉挿しも可能ですが、成長の勢いがある時の葉からは発芽しやすい印象です。やや難しい部類ですが、株分けや仔株から増やすことができます