多肉と過ごす豊かな時間

エケベリア原種とスペシャリティコーヒー。産地の違いを楽しむ贅沢な時間

毎日、多肉植物に囲まれて仕事をしていると、ふと立ち止まってゆっくりしたくなる瞬間があります。
水やり、植え替え、葉挿し、殺菌剤や殺虫剤の散布、お客様との時間、札つくり、ミーティング、撮影。好きな仕事とはいえ、気が付けば一日があっという間に終わってしまうこともしばしば。

そんな時の私の楽しみのひとつが、スペシャルティコーヒーを淹れて多肉を眺める時間。

先日、つくば市のコーヒーファクトリーへ行ってきました。


いつもは200gを2種類購入することが多いのですが、今回は少し趣向を変えて100gずつ4種類。
エケベリア原種の産地違いを集めるような感覚で、さまざまな個性を楽しみたくなったのです。

この日はあいにくの雨。そのおかげかオープン直後のカフェスペースは静かで、普段はなかなか撮れない店内の写真も撮らせていただくことができました。

お店の後ろには公園が広がり、ゆったりとした空気が流れています。店内へ足を踏み入れると、まず迎えてくれるのはコーヒーの香り。焙煎したての豆が産地ごと、焙煎度ごとに瓶へ並べられていて、その光景だけでもワクワクします。多肉植物好きの方なら、この感覚が少しわかるかもしれません。

スペシャルティコーヒーは原種エケベリアに似ている

スペシャルティコーヒーとは、生産地や農園、生産方法まで明確に管理された高品質なコーヒーのことです。

例えば、エチオピア、ケニア、コロンビア、ホンジュラス、グァテマラ・・・同じコーヒーでも産地が違えば香りも甘みも酸味もまったく変わります。これはエケベリアの世界によく似ています。

同じ原種名で流通していても、採取された地域や標高、環境によって葉の厚みや色合い、ロゼットの締まり方が変わることがあります。原種好きが産地違いを集めて比較するように、コーヒー好きは産地違いの豆を飲み比べます。

そして面白いのは、コーヒーの場合は産地だけでは終わらないことです。同じ農園で収穫された豆でも、焙煎する人が変われば味が変わります。甘みを引き出す人もいれば、華やかな香りを引き出す人もいる。同じ素材でも仕上がりが変わるのです。

これはまるで、同じ原種を違う生産者が育てることで姿や魅力が変わる多肉植物のよう。植物好きがハマる理由が、なんとなくわかる気がします。

今回は4種類を少量ずつ購入

いつもなら気に入った豆を200g購入してじっくり楽しみます。しかし今回は100gずつ4種類。少量だからこそ気軽に冒険できます。多肉植物でも、一つの原種を深く追いかける楽しさがありますが、複数の原種を並べて違いを比較する楽しさもあります。今回のコーヒー選びは、まさにそんな感覚でした。香りの違い。甘みの違い。後味の違い。それぞれの個性を楽しむ時間は、原種を観察している時の楽しさにどこか似ています。

久しぶりに豆のまま購入

普段はお店で挽いてもらうことが多いのですが、今回は久しぶりに豆のまま購入しました。

帰宅後に取り出したのは、長年愛用しているナイスカットミルです。

ナイスカットミルで挽く楽しみ

コーヒーは挽いた瞬間から香りが飛び始めます。そのため、本当に美味しい状態を楽しむなら飲む直前に挽くのが理想です。ナイスカットミルは粒度が安定しやすく、均一に挽けるため抽出ムラが少なくなります。

雑味が出にくく、豆本来の個性を素直に味わえるのが魅力です。さらに大きなメリットが、豆に余計な熱を加えにくい方式です。コーヒー豆は熱に弱く、粉砕時に熱を持つと香り成分が飛びやすくなります。

せっかく丁寧に焙煎された豆の個性を損なわないためにも、熱を加えにくいグラインダーは大きな意味があります。素材が持つ本来の良さを引き出すための道具。だからこそ長く愛用されています。

氷の上からゆっくり抽出する

今回はアイスコーヒーにしました。少しだけ温度を落としたお湯を使い、氷の入ったグラスへ直接ドリップ。お湯を注ぐたびに立ち上る香り。豆ごとに違う表情。産地の違いだけでなく、焙煎による違いも感じられます。植物を観察するように、香りや味の変化を楽しむ時間です。

ベランダで多肉を眺めながら飲む

コーヒーができたらベランダへ。エケベリアたちを眺めながらゆっくり一口。朝日に照らされた葉色。残りの紅葉が冷めていくのを見守る。普段なら見逃してしまうような小さな変化にも気付けるようになります。忙しい時ほど、こういう時間が大切なのかもしれません。

多肉植物もコーヒーも「違いを楽しむ趣味」

スペシャルティコーヒーの世界では、産地が違えば味が違います。さらに焙煎する人が違えば味が変わります。淹れる人が違えばまた違う表情になります。

多肉植物も同じです。産地が違えば姿が変わる。育てる人が違えば表情が変わる。同じ名前の植物でも、まったく違う魅力を見せてくれます。だから面白い。だから集めたくなる。だから何年経っても飽きない。

忙しい毎日の中でも、お気に入りのコーヒーを淹れて、好きな多肉植物を眺める。そんな何気ない時間が、実はとても贅沢な時間なのだと思います。

多肉と過ごす豊かな時間。これからもそんな時間を大切にしていきたいと思います。

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